061 本大会 決勝戦を前に

【2015〜2016/3 小学2年】

ブロック首位で決勝戦進出決定。

4試合で4ゴール。内容はいいものの正直パッとしない。全試合ハットトリックからは程遠い。でも無理もない、全試合前半しか出ていないし。

お父さんは相当重苦しい感じだった。他のお父さんも少しは感じている様子で「そろそろ爆発しないとじゃないのー?」なんてハッパをかけられていた。

ちびたと二人でベンチに腰掛けて話した。

「どうよ?ちびた。」
「調子は悪く無い。ちょっとゴール狙いすぎた。」
「そうね。まぁ危ない試合がなかったからね。遊びすぎたかな。」
「・・・。」
口をつぐんでしまったちびたくん。

「正直MVPこのままじゃわかんないぞ。でかたもちゅうたも含めてみんな横並び。決勝戦で勝つとしても、誰がMVPとってもおかしく無い。ちびたが一番前評判が無いからね。はっきりいってきびしいと思う。」

「じゃぁ決勝戦でハットトリックとったら?」

お父さんは答えに相当悩んだ。時間的には一瞬だけど。で答えが、
「そうだなー。。。ま、取れるね!決勝戦でハットトリックでしょ!そりゃ取れるよ。っでも相当爆発しないとだぞ。行けるか?」

「行く!とる!」

子供ってのは妙に屈託なく元気だ。もとよりお父さんはこれ以上何もできない。率直に思っていることを言うしかなかった。正直言ってこの時お父さんはさすがにハットトリックは無理だろうと。優勝で十分じゃ無いかと思っていた。MVPは予選からの働きを見ればもしかしたらもう取ったようなもんかもしれないし。なんせチーム全得点の半分以上を稼いでいる。とかいいつつMVPは今日だけ見れば無理かもしれないとも思ってて、重苦しさが消えずにいた。

決勝戦の相手が決まった。チームR。地区大会2位で上がってきたチームだ。こちらが戦っている間、隣のコートでは何度か異様な盛り上がりを見せていて、気にはなっていた。

後から聞いた話によると、チームT対チームRは引き分けた。こちらのブロックはこの2強対決だったようで得失点差勝負。先にチームTが10何点か取って得失点で安定リードを決めたところを、最終戦でチームRが20点取って得失点差をひっくり返した。そのどよめきだったのか。ちょっと20点取られたチームが気の毒なのとスケジュールのアヤを感じた。

そしてついに決勝戦。だれかが今日のために作った手作りのボードには必勝の文字。お父さんたちも集まりお互いに改めて笑顔でご挨拶。そして選手入場の曲が流れる。選手が中央に並んで整列。正面に礼、向こう正面に礼。いくつかのセレモニーみたいなものが行われた。TVで見る日本代表戦でやるみたいな感じを一通り。厳粛だなー。メンバー緊張しないかな?なんて。

一応記録だし、自分の備忘録の為に書く。このセレモニーの時からお父さんはもうダメで、かくれて涙を拭くばかり。決勝戦をエースとして迎えただけでもう十分。この試合の間中、誰とも口をきけず、がんばれの声援も送れずにはじの方にいた。

いよいよキックオフ。


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